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【ロマンシングサ・ガ2】七英雄の謎をどこよりも詳しく徹底的にネタバレ考察する

塩畑貴志(ソルティー)

NPO法人教員支援ネットワークT-KNIT 代表理事。本拠地というRPGを現実化したようなお店をギルドマスターとして経営中。 RPG大好き。ゲームはファミコン、スーパーファミコン、プレイステーションなど家庭用ゲーム機のRPGを中心にプレイ。携帯ゲーム機は買ってくれなかったので、若干弱めです。 ⇒ソルティー自身の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください

七英雄の真実を知れば、あなたもきっと涙する。

どうも、ソルティーです。

僕が最もハマったゲーム。

それがロマンシングサ・ガ2(通称:ロマサガ2)です。

ロマサガ2は皇帝という一国の主が、世界の脅威となっているモンスターたちを倒し、

しまいにゃ、「全国統一しちまおうぜ」という国取り物語でもあります。

そして、ロマサガ2で切っても来れないのが伝承法と呼ばれるシステムで主人公が交代するのです。

仲間キャラクターの中から主人公となる人物を選定し、年代が大きく変わる…。

年代ジャンプと呼ばれるシステムは今でも見られないシステムの一つ。

交代したキャラクターは先代皇帝の強さを引き継ぎ、新しい仲間を引き連れて各地に赴く。

普通のRPGは主人公は全く変わらないと思っていたが、このゲームはどうでしょう。

どんどん主人公が交代していくばかりか、気に入らないキャラクターを皇帝にするしかないと、ルドン送りと呼ばれるテクニックでプレイヤーに殺されまくる皇帝が続出したものです。

ロマンシングサガ2においてバレンヌ帝国の皇帝をルドン高原に送り、殺害する行為のこと。
公式の名称ではなく、プレイヤー同士で用いられる言葉である。

当時インターネットというものが無い中で多くのプレイヤーがルドン送りというのをまるで暗黙の了解のように行っていたことはある意味面白い現象であると言える。

出典:ルドン送り

今回はそんな魅力たっぷりのロマサガ2における最大の敵

七英雄の謎について迫っていきたいと思います。

そもそも英雄だった彼らがなぜ人類の敵となったのか?は

物語中、ほとんど語られることがなく、ほとんどの子供がそのまま七英雄は悪いやつだと認識したに違いないでしょう。

「悪いやつらだし、倒しちまえ」という簡単なのだが、世の中的にはそうはいかない。

正義の反対は悪…なら良いのだが、正義の反対は正義だったりするのが、ロマサガ2の醍醐味でもあるのです。

今回は七英雄がなぜ堕ちた英雄になったのか?

ネタバレしながら、たっぷり語っていきましょう。

七英雄とは?

いきなり確信をついてしまいますが、元々、七英雄は古代人です。

メンバーは
リーダー・ワグナス
魅惑の女王・ロックブーケ
慎み深い剣士・ノエル
氷海の支配者・スービエ
強さを求める暴れ者・ダンターグ
狡猾な人形使い・ボクオーン
七英雄の嫌われ者・クジンシー

出典:ロマンシング・サガ2 オープニング

そして、実際に世界の危機を救った英雄でもあります。

ロマサガ2 七英雄:オープニング

……七英雄の伝説……
数多くの悪しき魔物を倒し 世界を救い、その後 いずこかへ消えた……
クジンシー、スービエ、ダンターグ、ノエル、ボクオーン、ロックブーケ、ワグナス
いつの日か、彼らは戻ってきて 再び世界を救うのだという……
世の中が乱れる度に、人々は伝説を語り、救いを願った。
しかし、平和が訪れると……伝説は忘れられた……
人の世の興亡はくり返す。
安定した国々による平和な時代が終わり、分裂と闘争の時代が始まった。
七英雄の名はふたたび語られ始めた
そして、彼らは来た ……だが

出典:ロマンシング・サガ2 オープニング

それがなぜか異世界に追放され、数千年の時を超え、異世界から戻ってきて各地を侵略し始めた…。

というのがロマサガ2のプレイヤー側の情報。

逆に言うと、これしか出てこないのでこれ以上推察するのは難しいのです。

しかし、細かいところで七英雄たちが何を目的にして行動しているのかが見えてくる。

それは七英雄に直接接触したり、期間限定のイベントや、裏の山を越えて行ける古代人の集落だったり、隠しボスだったり…。

何回もゲームをプレイすることで、七英雄たちの真意が見えるようになっているのです。

かくいう私も最初から最後までを20回はプレイしました。なぜか分からないがそのくらいの魅力があったのです。

ただし、七英雄は当時、超強力なラスボスとして立ちはだかります。

ロマサガ2の発売は1993年であるが、20年以上の時を経て未だに日本RPG史上最強のラスボスの一角として語られ続ける存在にして、ゲームバランス無視級の極悪ボスの代名詞として名高い。
ぶっちゃけ、発売当時はハメ無し正攻法撃破が普通にやりこみ扱いされたというレベルである。
実際のところ、SFC時代のトラウマボスとしてはメタルマックス2のテッドブロイラーと双璧を為す、或いは上回る程の存在感と知名度を誇る。
成長がカンストした状態でも、戦い方が悪ければ、容易に叩き潰される。

出典:七英雄

七英雄は最後の最後に合体し、襲いかかってくる。

かなりの強敵になるその理由は攻撃回数と攻撃力の高さです。

即死するようなダメージの攻撃や、状態異常など問答無用の攻撃が1ターンで最大7回飛んでくるのです。

こちらは5人しかいないので、攻撃を防ぐ術を身に着けておかないとあっさりと全滅してしまう。

当時、ロマサガ2を遊んだ子供たちは、この凶悪なボスに対してあの手この手で挑みました。

しかし、ラスボスの部屋の前でセーブしてしまい、帰れなくて泣く泣く始めからやり直したプレイヤーも多いでしょう。
※安心してください、私もやり直しました。

各地にいる七英雄は影。本体は隠されている

ロマサガ2の全国マップ

ロマサガ2のマップはかなり広大。

地図のほとんどを七英雄が占拠しているような状態から始まります。

実は各地で暴れまわっている七英雄は影の存在。

影はいくら倒しても、本体が残っていれば復活してしまうというから困ったもの。(実際、復活するのはクジンシーのみ)

「本体は最後の1体になれば出てくるよ」と言う占い師オアイーブの助言を信じて、皇帝は何千年も剣を振るうのです。

主人公が強くなれば、七英雄もモンスターも強くなる

ロマサガ2のダンターグの進化
七英雄ダンターグの4つの進化形態

ここもロマサガ2の面白いところの一つ。

主人公たちが強くなれば、モンスターが強くなっていき、年代を重ねるごとに七英雄も強くなっていきます。

普通のRPGであれば、「よし!強くなってからボコボコにしてやるぜ!」なんてケースは多いです。

しかし、ロマサガ2ではそれがしにくいのなんの。

戦闘回数によってザコ敵が強化され、年代が飛べば飛ぶほど七英雄のパワーアップが完了していきます。

これは七英雄たちが他の生命体の力を吸収するという吸収の法を身に着けているからです。

そう、七英雄たちはその特殊な能力でモンスターたちを吸収し、主人公たちと同様に強くなり続けているのです。

七英雄のストーリーを時系列で考察する

さて、七英雄が理解できたところで七英雄がなぜ堕ちた英雄になったかを考えてみましょう。

これにはロマサガ2のストーリーだけではなく、ロマサガ2以前の話を理解する必要があります。

強力なモンスターが現れ、古代人の脅威となる

古代人は魂の寿命が長く、肉体が滅びる前に別の肉体に魂を移す『同化の法』を使って生きながらえていました。

ほぼ不老不死のような古代人だったのだが、ある時、強大なモンスターが現れ、命を奪い始めます。

殺されてしまえば、いくら古代人でも死に至る。

これが恐怖となり、古代人はモンスターたちを恐れました。

アプリ版で明かされたのですが、この時、脅威となったモンスターは5体。

アプリ版では七英雄が過去に戦ったモンスターたちと戦うことができます。

その時に言ってくるセリフがこの4つのセリフです。

「戦を無くすため、戦をするというのか。‥‥もっと賢く立ち回ったら良いものを。
英雄の居場所など、戦場以外にありはしない。
戦を無くせば、貴様らは自らの居場所も無くすのだ。
せめてもの情けだ、七英雄、戦場で散れ!」

アプリ版 ロマンシング・サガ2より

「きさまらのその異形の姿‥‥魔物を取り込んだのだな。
他者の血肉を我がものとする‥‥なんと邪悪な術よ。
これほどの力を得るために一体、いくつの生命を食らってきたのだ!?
罪深き英雄よ、その罪ごと、貴様らを食らってやろう!」

アプリ版 ロマンシング・サガ2より

「何人もの意識が混ざっているな。本当のお前は、最初のお前は一体、どこにいるんだ?
志を問うのも馬鹿らしい。同化の法で永遠の命か。
あっはっはっは! それは能力かね? 私には呪いに見える。
半妖の肉体に、いびつな魂‥‥あわれなり七英雄。
魔物を吸収する前の、最初の、本当のきさまらは、一体、どこにいるのだ?
その呪いから、解放してやろう。死をもって!」

アプリ版 ロマンシング・サガ2より

「我らを倒して世界を救うだと?
‥‥笑わせるな。世界に生きるは人のみにあらず。
きさまらには聞こえぬのか。大地の震え、風の泣く声‥‥
いずれ世界は大きく変動する。
魔物の進攻も、世界の変動も、自然の理を破り続けるきさまらへの神の裁きと知れ!」

アプリ版 ロマンシング・サガ2より

この4体の魔物の記憶から察するに、このモンスターたちが生まれた原因…、それは古代人たちが使っていた『同化の法』だったのです。

自然の摂理を無理やり捻じ曲げた方法で生きながらえた古代人のこの術を、「邪悪な術」、「呪い」と形容されるあたり、自然界に多大な影響を与えていたようです。

ロマサガ2、最強の敵であるドレッドクィーン
最強の敵 ドレッドクィーン

そして、モンスターの中でも、特に脅威だったのがドレッドクィーン率いるアリ軍団。

人間に寄生し、中から食い破るという恐ろしい力をもったアリ。

さぞかし、古代人からは恐怖だったでしょう。

その古代人の中から平穏を取り戻そうと立ち上がった若者が二人いました。

ワグナスとノエルは同化の法を強める研究をしていました。

「我々は、あなたがたよりもずっと長生きをします。しかし!肉体はいつかくちはてます。その時には同化の法を使って新しい肉体を得るのです。同化の法は、我々の魂を他の肉体になじませるものです。長命なるがゆえに、我々は死を恐れました。強力なモンスターは恐ろしい敵だったのです。そのモンスターに立ち向かおうとする者がいました。ワグナスとノエルです。」
「ワグナスとノエルは同化の法を強める研究をしていました。そして、新たな力を得たのです。二人は仲間を集め、その力を分け与えました。暴れ者のダンターグ、ズル賢いボクオーン、嫌われ者のクジンシー、ワグナスのいとこスービエ、そしてノエルの妹ロックブーケ。彼らは死を恐れずモンスターに立ち向かいました。そんな彼らを七英雄と呼ぶようになったのです。」

出典:ロマンシングサ・ガ2 古代人の言葉

そう、ワグナスとノエルが先に立ち上がったのです。

同化の法をパワーアップさせた吸収の法を編み出す

LORD of VERMILIONという外伝的なもので、語られたのですが、

その同化の法をパワーアップさせたのが吸収の法です。

モンスター側の能力を奪い取る(厳密に言うと合体する)ことができます。

「同化の法を超える、新たな秘術だと?」
ワグナスは疑わしげな声をあげた。
「そうだ。単に肉体を同化するだけでなく、その能力や知識
までも取り込むのだ」
ワグナスは目を輝かせた。
「それはすごいな。吸収の法・・・とでも呼べばいいのか」
ノエルは少し考えてから、続けた。
「そうだな。ただ、これには大きなリスクがある」

出典:ノエルのカード

これを見ると分かるのですが、吸収の法を編み出したのはノエルであることが分かります。

すげーなノエル兄さん。

「吸収した相手の性格や経験に、自分の方が影響を受ける可能性がある」
ノエルは静かに言った。
「殺人鬼を吸収すれば、殺人が快楽になるかもしれないということだ」
ワグナスは笑った。
「望むところだ。その程度の覚悟なくして、世界を救うことなどできようか、
世界が救われれば、我々がどう謗られようがかまわんさ」

出典:ワグナスのカード

そう、吸収の法の弱点は意識まで吸収してしまうということです。

これからモンスターを吸収しようというのですから、ノエルは心が悪に満たされてしまうのを危惧していました。

「世界が救われれば、我々がどう謗られようがかまわんさ」

こんなことをワグナスは言っていたのに…、最後は追放した古代人に対して復讐しようとしていたのですから、意識が悪に満たされてしまったのでしょう。

ちなみに吸収するには相手を戦闘不能状態にする必要があるらしく、簡単には使えませんが、この能力を使って七英雄はどんどん魔物たちを吸収し、力を高めていきます。

勇気のある同士を集め七英雄となる

最初の英雄は二人だけでした。

そこから次々と仲間に声をかけ、吸収の法を教えていくことになります。

さきに話しかけたのはスービエ。

「スービエ、この先も私とともに戦ってくれるか?
危険があるのは、ノエルの説明したとおりだ」
ワグナスの顔から笑みが消えていた。
「聞くまでもないだろう」スービエは豪快に笑った。
「ノエルの言う難しいことはよく分からんが、
俺はお前を信じるだけだ。それで十分だろう」
3人は、互いに微笑をかわし、一気に盃を空けた。

出典:スービエのカード

なぜか従兄弟のワグナスにゾッコン状態のスービエ。

スービエはロマサガ2で、ほとんど会話することのないキャラでした。

この会話から察するに完全に脳筋キャラだってことが分かりますね。ダンターグに近いかも。

もうちょっとスマートなキャラだとイメージしてたんですが違ったようです。

「私は邪魔なの? おにいさま!」
彼女の目は、みるみるうちに涙で一杯になった。
「ノエルは君の身を案じているだけだ。邪魔だなんて思ってはないよ」
ワグナスの慰めも、火に油を注いだ。
「ワグナス様まで、私を除け者にするのね。
ひどい、ひどいわ。ここまで一緒に来たのに」
こうなると止めようがないのをノエルはよく知っていた。
「ワグナス、この子も仲間に入れてやってくれ」

出典:ロックブーケのカード

次はロックブーケ。

SaGa THE STAGE ~七英雄の帰還~という舞台や、現在好評配信中のロマンシングサ・ガ リ・ユニバースでも分かりますが、意外と剣を使う戦士系だったのです。

後に戦うことになるジャンヌ(アマゾネス)と近い感じですね。

あんなに美を求める性格になったのはモンスターを吸収してしまったからかもしれません。

「強くなれるんだろう?望むところだ」
ダンターグの答えは簡単だった。
「強さ以外のものまで吸収してしまうかもしれないぞ。優しさとか、愛とか」
ノエルは茶化すように言った。
「ふん、吸収する相手を選ぶだけだ。純粋に戦いだけを求めている奴、狂犬や怪物のような
奴を吸収してやるさ。俺様もそうだがな」
ダンターグの大きな笑いが響く。

出典:ダンターグのカード

次はダンターグ。

こやつは元々脳筋キャラだって分かっているので、あんまり変わり映えしないですね(笑)。

ノエルが誘ってるので、ノエルはこの時点で相当強いキャラだってことが分かります。というか、ワグナスがリーダーらしいことしてないw

ワグナスとは反対に優しさや、愛を吸収してしまうことを危惧しています。これまた面白いですね。

「どうして私に声を掛けないのですか?」
ワグナスとノエルは顔を見合わせた。
「君はこういうことには興味がないだろうから・・・」
ノエルの言葉をボクオーンは遮った。
「君たちの人選は明らかにミスだ、戦略に欠けている。
ダンターグ、スービエは力が強いだけだし、ロックブーケ
の必要性は・・・ ゼロだ。 このグループには私のような頭脳
が必要とされている。君には分かるよね、ワグナス」

出典:ボクオーンのカード

次はボクオーン。

本編では単なる道化にしか見えなかったボクオーンですが、過去の戦いでは意外と策士だったようです。

古代人の集落では、ボクオーンは「ずる賢い」と言われていましたが、本当に知恵が回るタイプだったのかもしれませんね。

ちなみにカードのボクオーン、爺さんじゃないんですが…。これは吸収する相手を間違えてしまったのかもしれませんねぇ。

「俺を置いていかないでくれ!」クジンシーは叫んだ。
「はっ、虫けらが」ダンターグは軽蔑して唾を吐いた。
「お前は戦力にならん」ボクオーンは相手にしなかった。
「やめてよ、寄らないでよ」ロックブーケは気味悪がった。
「お前は来なくていい」スービエは厳しく言った。
「君は十分働いた」ワグナスの優しい声には拒絶があった。
「頼むよ。俺にも力をくれよ」クジンシーはノエルにすがりついた。

出典:クジンシーのカード

最後はクジンシー。

なんか小者臭しかしませんが、仲間からも嫌われてたんですね〜。

ワグナスは「君は十分働いた」とか、優しいリーダーであったことが伺えますね。

ノエルは冷徹なので、なにかの役割をクジンシーに与えたのかと思います。

あの全生命力を刈り取る最強技「ソウルスティール」を使えるのは七英雄ではクジンシーだけです。

ミミック的な存在がいて、その敵を吸収する実験台にしようとしたのかもしれないな…と思わざるを得ません。

※実はミミックも強くなるとソウルスティールを使ってきます

基本的にはワグナスではなく、ノエルがリーダー的な立ち位置にいて、みんなをまとめ上げていることが分かります。

「ノエルまで負けるとは、お前達のほうが強いのか」

というワグナスのセリフもあるのですが、ワグナスはノエルのほうが強いと思っている節がありますね。

そんなこんなで七英雄が全員集ったワケです。

モンスターを吸収しながら、強さを増していく7人。

古代人の脅威を倒す

段々と強くなる七英雄ですが、国を襲ってくるモンスター(大体がアリ)を相手に

「人を捨てる覚悟」を迫られます。

吸収するたびに異型になり、人としての心を忘れていく…。

まったく以て恐ろしい術を作ってしまったものです。

この辺りはSaGa THE STAGE ~七英雄の帰還~という舞台で語られています。

そして、人を辞める覚悟を持ち、強くなった七英雄は古代人の脅威であるモンスターたちをついに倒します。

この辺り、RPGとして出したら売れるんじゃない?と思ってるんですが、いかがですかね??

七英雄を恐れた古代人に差別され、異次元世界に追放される

古代人の仲間からは七英雄と呼ばれ、文字通り英雄となった7人。

しかし、ここで問題が生じます。

先にもありましたが、モンスターたちが古代人の同化の法の使用を止めることができなかったので、各地で異常気象が起こり、大災害が発生し始めます。

そのため、この星に住み続けるのは危険と判断。別の次元へ逃げる次元転移装置を作り上げます。

そのテストとして選ばれたのが七英雄です。(エンペラーズサ・ガで語られた事実では違っていますが)

「お前たちに教えてやる義理はないが まあ良い。私も退屈していたところだ、話をしてやろう。もう何千年も前の事だが、この世界には大きな変動が訪れようとしていた。その変動から逃れるためにこれらの塔は作られたのだ。塔のまわりに術のフィールドを張りめぐらし、別の世界への道を作ろうとしたのだ。この塔での実験は成功し、まず七英雄が、そして他の者達が別の世界へと去っていった。その後世界は変動に見舞われた。ある所は砂漠に変わり、ある所は氷にうもれ、ある所は海中に沈み、そしてここは地中に沈んだのだ。この塔はもう作動しないが、私はいにしえの誓いにしばられてここを守り続けねばならないのだ。話はこれで終わりだ。」

出典:ロマンシングサ・ガ2 水龍の言葉

なぜ七英雄がテストとして選ばれたのかは憶測の域を出ませんが、七英雄自体が吸収したモンスターの意識を受けて、凶暴になり、増長してしまっていたため、テストに乗じて異次元へ追放しようと企んだのかもしれません。

元々、七英雄は世界の脅威であったモンスターたちを超える存在。仲間であり、恐怖の存在でもありました。さらに吸収の法を使って、すでに異型の姿になっているので、同じ古代人とは思えないでしょう。

性格も元々の七英雄とは大きく変わっているとなっては手の打ちようがなかったとも言えます。

「同族を見返したがっていたクジンシー・ボクオーン・ダンターグだけでなくワグナス達も増長し始めたため追放された」

出典:『ロマンシング・サガ大全集』より

ただ、本当に増長していたかは確信がありません。

なぜなら現実の世界でも、他人の活躍を面白くないと思う権力者がいて、吹聴して回ることがあるからです。

事実、本編では七英雄を追放した古代人の罪滅ぼしのために、元の世界に残り続けた古代人がいるくらいです。

そのため七英雄のことを面白くない黒幕がいて、その黒幕たちが七英雄を罠にかけた…という線が個人的には濃厚かなっと。

それはひどいな。七英雄が腹を立てるのも無理はないな。

オアイーブ「私たちは彼らを追放しました。実験中だった次元転移装置を使って、どことも知れぬ別世界へ追い払ったのです。」
皇帝「それはひどいな。七英雄が腹を立てるのも無理はないな。」
オアイーブ「私もつらかったのです。その責任を感じて、私はこの世界に残りました。あの人達がいつか帰ってくると思いましたから。」

出典:ロマンシングサ・ガ2 オアイーブの言葉

古代人の中にも悪い人間はいる…という感じでしょうか。

… 七英雄が送り出された時、塔がうまく作動せず、七英雄は行方不明になったのだ。

皇帝「七英雄とこの塔の関係は?」
水龍「…。七英雄が送り出された時、塔がうまく作動せず、七英雄は行方不明になったのだ。」

出典:ロマンシングサ・ガ2 水龍の言葉

この「…。」が全てを物語っている気がしてならないんですが!

七英雄を面白くないと思うものたちが意図的に次元転移装置に罠を仕掛け、事故として処理し、追放した。

これだけ見れば七英雄たちが怒るのも頷けます。

この複雑な人間模様がロマサガ2をさらに深みへといざなってくれますねぇ。

長い年月をかけて戻ってくるも古代人はいなかった

世界を救う為に戦ってきた仕打ちが、異次元への追放。

恩を仇で返すとはこのことです。

もう人としての心を失っていた彼らの心には憎悪の炎が燃えたぎっていました。

いつの日か古代人に復讐しようと心に決め、この世界に戻ってくるのです。

来てみると、奴らも違う世界へ行ったようだ。奴らはどこへ行ったのか。探しているのさ、復讐のために!

「では冥土の土産に教えてやろう。我々は世界を救った。だが救われた連中は強くなり過ぎた我々を恐れて、別の世界へ追放したのだ!数千年後、苦労して帰って来てみると、奴らも違う世界へ行ったようだ。奴らはどこへ行ったのか。探しているのさ、復讐のために!」

出典:ロマンシングサ・ガ2 スービエの言葉

しかし、古代人は別の世界に逃げていました。(残った古代人以外なので、本当に復讐したいと思っている古代人たち)

そこで、古代人が逃げた世界がどこなのかを調査するために、世界に遺されている次元転移装置を探し始めます。

また、モンスターや、人間を駒のように使い始めたのもこの頃です。

たぶん、自分たちだけで探すのは大変だったのでしょう。(どのように使役できるようになったのかは謎のままですが)

追放した古代人を追うために次元転移装置の謎を探している…のは4人のみ。

ここまで読めば全員が復讐を望んでいる…と思うのですが、そうでもないようです。

ダンターグは元々脳筋キャラだったこともあり、復讐には全く興味がないご様子。

まったく同じ洞窟に何百年でも引きこもっていられる恐ろしいヒキニートっぷり。

ボクオーンは人を使役し、麻薬づくりと金儲け。

地上戦艦をつくり、ステップを優雅に散歩中。

クジンシーは世界征服しようと企む。(これが元でアバロンの皇帝から七英雄が目の敵にされる)

つまり古代人に復讐しようとしているのはワグナス、ノエル、スービエ、ロックブーケの4人。

ただし、ノエルだけは移動湖にて古代人の旧友であるサグザーと普通に会話しています。

サグザー、久しぶりだな。

このことから、ノエルも復讐は(サグザーに対しては)ほとんど望んでいない様子。

というよりも、ノエルはほとんど人の姿を保ったままの状態。

つまり吸収の法を提案したのにも関わらず、自身はほとんどモンスターを吸収していないのかと思います。

※ただし、吸収したモンスター群の中にドラゴン系というのは記載があります。

増長したって言われたのもワグナスが筆頭だったので、ノエルは対象外のような気もします。

ノエルは本当は古代人への復讐のためではなく、自分たちが追放された真実を確かめたかっただけなのでは?と考察しています。

「数千年の時は彼らから英雄の心を奪いました。今の彼らは7ひきのモンスターでしかありません。私たちは彼らに殺されても仕方ありません。しかし、あなた方に罪はありません。あなた方には身を守る権利があります。ですから、その手段として伝承法をお教えしました。」

出典:ロマンシングサ・ガ2 オアイーブの言葉

モンスターでしかないと言いますが、ノエルだけは例外な気がしていて、逆にこの辺りが七英雄との溝を深めてしまっている気がします。

実際に会話しているサグザーもノエルを止めないのはなぜだという気にはなりますが。

エンペラーズサ・ガで明らかになった七英雄の最後

実はエンペラーズサ・ガで、英雄だった頃の七英雄たちと行動を共にできます。

この頃、増長していたという話ですが、古代人のために戦う本物のヒーローでした。(最強にこだわるようになっていましたが)

ワグナス「完勝だな、ノエル。」
ノエル「ターム戦士の一途な心、強くなりたいという飽くなき探求が私に力をくれた。吸収した力そのものよりも、この想いの方が強さをくれた気がするよ。」
ワグナス「吸収の法の力、もの凄いな。これがあれば、四魔貴族とやらとも互角に戦えるかもしれん。」
ノエル「その思いに乗っ取られるかもしれんぞ。化け物じみた妄想、愚か者のような欲望に憑かれるかもしれん。それでもいいのか?」
ワグナス「それくらいの覚悟なくして英雄を名乗れはしまい。行ける所まで行くまでだ。そうだろう、ノエル。」
ノエル「ああ。共に進もう、ワグナス。我らこそが最強だ。」

出典:エンペラーズサ・ガ 第二章

エンペラーズサ・ガで分かった事実は3つあります。

  1. ノエルとオアイーブが恋人同士(未満?)であったこと
  2. 七英雄は最後まで英雄であったこと
  3. 七英雄たちを追放した黒幕はオアイーブの父親であったこと
転送が始まらない!オアイーブ、どうした。何があった。

ノエル「サグザー、オアイーブ、操作を頼む。」
サグザー「いいのか、ノエル。後悔しても後戻りは出来ないぞ。」
ノエル「後悔は望むところ。後戻りさえしなければ、いい。光は我らの前にある。」
サグザー「オアイーブ、準備はいいな。転送プロセスを開始する。」
オアイーブ「このスイッチを押してしまえば、もう後戻りはできない。本当にあなた達の未来に光はあるの、ノエル。転送プロセス、開始!」
サグザー「オアイーブ、同時に操作だ。3,2,1、今だ!」
サグザー「転送が始まらない!オアイーブ、どうした。何があった。」
ボクオーン「ウォー、体が引き裂かれるー!」
ダンターグ「これしきの、痛み・・・うがーッ!」
クジンシー「ひーっ、死ぬー、ぃぬーッ!」
スービエ「体が、捻じ切れそうだ、っく。」
ロックブーケ「もうだめ・・・たすけて・・・」
ワグナス「ノエル、これも計算どおりなのか・・・」
ノエル「オアイーブ・・・これは、君が与えた罰か・・・」
サグザー「オアイーブ!早く!転送を!このままでは彼らがもたない。ノエルが死んでしまうぞ!」
オアイーブの父「ノエルには死んでもらわねばならない。ターム族と同化するなどとは、許されん。」
オアイーブ「お父様、なぜノエルをそんなに憎むの。ノエルは何度も何度も私たちを救ってくれたのに。」
オアイーブの父「なぜ?ノエルなどただの使用人ではないか。本来、お前たちと言葉を交わしていいような身分ではない。何が七英雄だ!」
オアイーブ「ノエル、さようなら…」
オアイーブ「転送!」
オアイーブ「行ってしまった・・・」
サグザー「座標がかなりずれた。彼らが無事にどこかにたどり着いたことを祈るしかない。」

出典:エンペラーズサ・ガ 第二章

もうエンペラーズサ・ガはプレイできませんが、インペリアルサ・ガにてエンペラーズサ・ガのストーリーを追体験できます。

まだ未プレイの方はプレイしてみましょう。

七英雄はどうしてアバロンにちょっかいを出してしまったのか考察する

さて、最後は七英雄はどうしてアバロンにちょっかいを出してしまったのか考察していきましょう。

七英雄はアバロンに手を出しさえしなければ目的を果たせて古代人への復讐は完了できたものと考えられます。

なぜ、アバロンにクジンシーが来たのか?をじっくり考察します。

七英雄には担当区域があり、次元転移装置を探しやすいように侵略している

そもそも七英雄がバラバラに活動しているのにはワケがあります。

それは古代人が別の次元に逃げた際に使ったとされる次元転移装置を探しているのです。

まぁ、実際探しているのはノエル、スービエ、ロックブーケの3名ですが、他の4名の配置も考察すると面白い位置にいます。

まず、ダンターグですが、ナゼール地方から全く動かず、暴れるだけ暴れて、モンスターを吸収しまくっています。

これはワグナスか、ノエルの入れ知恵があって、『本体を守護する役目を帯びている』と考えられます。

事実、ダンターグは脳筋ですが、普通に考えれば強キャラです。

壁としての役割としては十分なので、探すというよりも砦の役割を担っていたのかなと思います。

ボクオーンは麻薬づくりをし、「いい仕事」の人のように人間を骨抜きにしています。

カンバーランド、ステップを占拠し、一気に領土を手中に収めようとするのであれば、さすがずる賢いと言われるだけあります。

問題はワグナスですが、ヤウダ地方に古代人が逃げたらしいということは知っています。

ただ、イーリスが邪魔していて通れないとも言っていました。

つまり、リーダーのワグナスが、あんな辺ぴなところで何もせずに待っているということはなく、皇帝がヤウダ地方から古代人への接触を阻止するためにいるということが考えられます。

ようこそ!ここまでは楽しんでいただけたかな?

※しかも、「もう帰る」を選択すると敵なのにすんなり帰してくれるという笑い草がありますが、目的が皇帝との戦いではなく、古代人との接触を阻止するためだとすれば辻褄が合いますね。

クジンシーは世界征服のため、アバロンに赴いた

さて、クジンシーですが、世界征服のためと自ら言っていました。

世界征服のためにはアバロンが一番良いのか?

そもそもバレンヌ帝国はレオンは第30代目の皇帝となっています。(画集『時織人』の記述による)

つまり、レオンの前にバレンヌ帝国は相当強大な力を持っていたことになります。

事実、レオンが全土統一を志すまでにもヴィクトール運河を築き、東方を除く世界のほぼ全土を領土に一回おさめています。(衰退しましたが)

そのくらい強大な帝国だったので、世界征服を目論むクジンシーには丁度良かったのです。

加えて最強の技『ソウルスティール』を持っているので、相手がどんなやつでも命を吸い取れば倒せます。

クジンシーの行動は単純明快で、古代人の復讐はどうでもよく、小者から大物になりたくて世界征服を目論むという小学生のような夢を描いていたことになります。

まぁ、それが七英雄滅亡への第一歩になるとは夢にも思わなかったでしょうけど…。

ロマサガ2を遊んでみたい方へ

まだロマサガ2を遊んだことがない…という方はスーパーファミコン版や、各種アーカイブ版、今ではスマートフォンアプリ版などさまざまな媒体が用意されています。

スマホアプリ版

ロマンシング サガ2

ロマンシング サガ2

SQUARE ENIX¥1,100posted withアプリーチ

スマホアプリ版は映像が綺麗になっていたり、文字も読みやすくなっていたり、SFC版であったバグが改修され、遊びやすくなっています。

NEW GAME+という強くてニューゲームのようなことが最初からできるので、「敵が強すぎて詰んでしまった!」という初心者も救済措置が用意されているのが評価できる点ですね。

SFC版

僕だったらスーパーファミコン版が断然オススメです。有名なオーラム増殖バグや、最終皇帝にしないでエンディングなど各種バグも残ったままだし、当時の思い出のまま遊べます。というか今でもこの雑な感じが好き(笑)。

ただ、心配なのは電池かな…。カセットは電池切れがあると起動しなかったり、セーブデータが消えやすくなるので注意しましょう。

いや、相当長く書いてしまいました。

でも、七英雄についてたくさん語ることができて満足です。

もし、これを読んでくれたのなら、あなたも七英雄マスター!!

ぜひロマサガ2の思い出を共に語りましょう!!

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塩畑貴志(ソルティー)

NPO法人教員支援ネットワークT-KNIT 代表理事。本拠地というRPGを現実化したようなお店をギルドマスターとして経営中。 RPG大好き。ゲームはファミコン、スーパーファミコン、プレイステーションなど家庭用ゲーム機のRPGを中心にプレイ。携帯ゲーム機は買ってくれなかったので、若干弱めです。 ⇒ソルティー自身の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください

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